2011年7月11日月曜日

マクロ経済学 - ポール・クルーグマン

私は、なにかの学習をするときは、基本的にアメリカ人の書いた大きな教科書を使って学ぶことにしています。アメリカの学者は、教科書を書くことに大変な重きを置いていて、とにかく詳細で分かりやすい教科書を苦心して書こうとするので、日本の教科書とは比べものになりません。

本書は、ノーベル賞経済学者ポール・クルーグマンが書いたマクロ経済学の教科書です。ポール・クルーグマンは、ニューヨークタイムズのコラムニストとしても有名で、文筆の才能にも恵まれています。そのため、この教科書も極めて分かりやすく、経済学の素人が読んでも理解することができるでしょう。

マクロ経済学という学問は、普通の人が生きていく生活上ではあまり関係のない学問です。なぜなら、この学問は、国の経済など、大きな規模の経済の動きについて学ぶものだからです。ミクロ経済学は、経営者やビジネスマンにも関係があることを学びますが、マクロ経済学はそのような意味で役に立つことはないでしょう。

では、私はなぜマクロ経済学を学んだのでしょうか?

それは、一人の有権者として、国政に票を投じ、国政を論ずるためには、最低限のマクロ経済学の知識がなくてはならないからです。

世の中には、わかったような顔をして、国政についてああでもないこうでもないと論じる人々が多くいます。しかし、その多くは、経済学を少しでも学んだ人間からすれば笑止千万の幼稚園レベルの議論なのです。そうした轍を踏まないために、本書を読みました。もちろん本書のような学部レベルの知識だけで、国政を論じるには足りませんが、少なくとも大きな誤りには気づくことができます。

私は、マクロ経済学というと、IS-LMモデルなど複雑怪奇な抽象論や数式が多数でてくる印象を持っていました。しかし、本書には数式は殆ど出てきませんし、IS-LMモデルのような複雑な話も少しも登場しません。あくまで一般常識、一般教養レベルで、簡単に読みこなせる内容です。

もし国政について少しでも興味があるのなら、ぜひマクロ経済学を学んでみませんか? なるべく毎日読めば1~2ヶ月もあれば読み終えることができると思います。



ミクロ経済学もあわせてどうぞ。

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