2011年11月14日月曜日

自転車と死亡事故統計

最近、警察庁が自転車の歩道通行禁止を徹底するというニュースが話題になっているようです。

これは私にとっては困った問題です。私は福岡ではつねに自転車に乗っていますが、そのとき自動車の交通量の多い道では、たいてい歩道を走っています。いまはそうした歩道には、だいたい「自転車通行可」の標識がたてられていますが、この自転車通行可もなくなる方向性だそうです。

私は歩道を走るときは非常にゆっくりした速度で走りますし、いつでもすぐ停止できる状態なので、万に一つでも歩行者を傷つける可能性はないと考えています。

車道を走ることになれば、転倒したりよろめいたりするだけで、私の命は容易に失われてしまいます。だから、もし歩道が通行禁止になれば、私は自転車に乗るのをやめるでしょう。

さて、古いデータで恐縮ですが、手元にある「交通事故統計年報 平成14年版」からデータを見てみましょう。

まず平成14年におきた死亡事故 7,993件中、自動車(自動二輪車含む)が絡む事故が97.8%を占めています。自転車と歩行者による死亡事故は、たった3件にすぎません。逆に、自動車(自動二輪車等含む)と自転車の死亡事故は1,997件に及びます。

もし自転車の歩道通行を禁止することになれば、このたった3件の死亡事故を減らすために、1,997件の死亡事故を大幅に増加させるということになります。

警察庁の狙いは一体どこにあるのでしょうか? 警察庁にとっても交通事故を減らすことは大切な目標のはずですし、こうした統計もじっくり見ているはずだと思うのですが。

何のために歩道から自転車を追い出すつもりなのか、私には全く理解出来ません。いまのまま歩行者通行可の歩道を残したまま、そうした歩道では速度制限を厳しくするなどの対応をとれば良いのではないでしょうか。

もしくは警察庁は全ての道路から片側1車線を自動車用から自転車用に転換したりする予定なのですかね。それなら大英断ですが・・・

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