2012年6月18日月曜日

「出馬してみた」の時代へ

私は、先日行われた第二回ニコニコ学会βにて、セッション「イノベーションと社会規範」の座長を務めました。

当セッションではWinny事件の最高裁での無罪判決を受けて、Winny開発者の金子勇さま、メタ・アソシエイツ代表の高間剛典さま、法学者で法政大学准教授の白田秀彰さま、経済学者で駒澤大学准教授の飯田泰之さまをお招きしてパネルディスカッションを行いました。

セッションの内容についてはCNET Japanの記事「悪い面だけ注目してもろくなことがない--Winny事件から見た社会規範」が良くまとめられていますので、こちらをご参照ください。

セッションでは、過度に批判的な「世論」が社会を抑圧的にしている問題点としてあげられました。その対応策としては、もっと個人が気軽に政治参加をしてみることが一つの方策としてあげられました。


白田氏が提案されたのは「出馬してみた」です。

いまの公職選挙ではネット上での選挙運動など、様々な選挙運動の方法が禁止されています。また供託金の金額も高いために気軽に立候補することができなくなっています。そこでネット上で仮想の出馬をして、実際の選挙と同じ時間軸で選挙戦を戦い、どれくらい得票できるかやってみるという方法です。

政治上でも消費者参加型コンテンツが増えて行くことは面白いかもしれません。「政策議論のプラットフォーム」などと大上段に構えると疲れてしまいますが、「出馬してみた」が簡単にできてしまうプラットフォームなら面白く参加できるかもしれませんね。やりっぱなし、言いっ放しでいいんじゃないかと思います。極端に他人を不快にさせるような人が登場した場合、どのように規制するかという問題はありますが、まあ、突っ込みどころ満載の偏った場所になってしまっても、それはそれで一つの結果です。


私としても、色々な政治運動、社会活動をみなが気軽にやっていくことが社会をよくしていくと考えます。

Winny事件ではウェブサイトと寄付金口座を作るだけという「支援してみた」程度の支援で1500万円を集めて最高裁での勝利に結びつけることができました。

また医薬品ネット販売規制でも、一中小企業であるケンコーコムが高裁において勝利を得ました。

著作権法改正での「ダウンロード犯罪化」については津田大介氏らMiauの面々が議員に働きかけて、議論無しで国会に提出されるという最悪の事態を防ごうとしました。残念ながら今回は負けてしまいましたが、津田氏らの動きには、議員たちから一定の反応が得られています。

日本では一個人の力は無力であるかのようなことを言う人が多くいますが、実際にはこれだけ多くのことがなしとげられているのです。一人一人が声を上げて動くことが、これからの日本には大切だろうと思います。ぜひ皆さんが少しずつでも政治を自分のものと考えて動いてくれれば良いな、と思います。

実際に政策について「本当にこれを実施したらどうなるだろう」ということを深く考えることで、単なる批判者、傍観者として政策について考えるよりも、ずっと深い理解をできるようになるのではないかと思います。

まず隗より始めよということで、私も自分の時間の2~3割くらいは政治社会活動に使おうと考えています。ちょっとした政治活動が社会を変えていくということが見えてくれば良いなと思います。このブログにも社会の話題が増えるかもしれませんが、ご了承くださいませ。

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