2017年12月4日月曜日

キューバで米国大使館員が謎の攻撃を受けている件についてNew York Timesの記事のコメント欄が面白かったので紹介してみるよ

キューバで米国大使館員が謎の攻撃を受けている件についてNew York Timesの記事のコメント欄が面白かったので紹介してみるよ。

そもそもキューバで米国大使館員が謎の攻撃を受けている件について、忘れてる人や知らない人がいるかもしれないので、説明してみる。

キューバとの国交回復に伴って再開された在ハバナ米国大使館では、21人の職員が、聴覚障害や認知問題、視覚障害、不眠などの症状に長らく悩ませられており、米国政府は、これを何らかの攻撃によるものだと考えているという。在米キューバ大使館の職員数名を国外退去させるなど、キューバ政府にも責任があるとしている。

この記事は、米大使館から多くの職員が退避することになったというものだが、記事内では米国政府が調査のためFBI捜査員を派遣したが、何も発見できなかったということも紹介している。

この記事自体は、ただ米政府の見解を紹介するだけのつまらない記事なんだが、コメント欄で非常に多様な議論が繰り広げられていたので以下に抜粋かつ要約で紹介したいと思う。

単純な意見から、とても知的な意見まで幅広くて、非常に面白かった。ちなみに要約はものすごく手抜きで時間をかけずに適当におこなっているのでものすごく文章が変わっていることを諒解願う。


  • Robert - 何がこの攻撃の動機なのか? キューバ政府にはそのような動機も技術もない。この攻撃から米国もキューバも利益を得ることがない。では誰が最大の利益を得るか? それはプーチンのロシアだ。
  • WmC - 訴えている症状は曖昧かつ多彩で、攻撃によるものと決めつけるのは早すぎる。FBI捜査員に入国して捜査することを認めるキューバ政府の対応もそうだ。これを攻撃と決めつけて大使館員を退避させるのはトランプの政治的理由によるこじつけだろう。
  • Victor Mark - 私は行動神経学の研究者だが、このような多彩な訴えを示す集団が、検査でも全く原因がわからない場合、集団ヒステリーだろうと思う。集団ヒステリーは実際に深刻な病気なのだが、外部の原因によって引き起こされるものではなく、無意識のうちに引き起こされる。神経科医による診察が必要だ。
  • Francisco Cebollero - 私はカリブ海で臨床している医師だが、こうした症状はアルボウイルス感染症だと考えられる。地域外から旅行してきた者は、免疫がないのでかかりやすい。
  • Jim Z - キューバと米国の関係改善で、一番わりを食ってるのは誰だと思う? 在キューバ北朝鮮大使館だろう。北朝鮮の奴らは海外でむちゃくちゃやることで有名だからな。
  • Kara Ben Nemsi - FBIは現地で何の手がかりも得られなかったし、職員の臨床検査結果からも何らの手がかりを得られなかったんだろう。こうした症状は攻撃によるものではない。これは環境要因によって起きたことではないか。

    国務省がするべきなのはFBI捜査員ではなく、疫学者を現地に連れて行って調査することだ。

    自分なら大使館の建物を疑う。同じ症状を呈したカナダ人大使館員が建物を訪れたのはいつか? 症状のあった者となかった者の行動の違いはなにか? 全員が食べたものはなにか? 症状のあった人々の部屋につながる換気ダクトはどれか? これはレジオネラ症が最初に見つかったときの状況と似ているのではないか?
  • ThunderInMtns - 米国の引退した看護師だが、こういう謎の症状は米国の三交代勤務制の工場でもよく起きる集団ヒステリーだ。人々が多彩な症状を訴えて、診察所にやってくる。そのうちそれは工場の環境汚染のせいだということになり、工場は一時閉鎖され、訴訟問題になる。だが結局のところ原因は見つからない。塗料の匂いなどが引き金となることもある。
  • John Figliozzi - これは疑わしい話だね。こうした症状は、高温多湿地域で古い建物をきちんと手入れしないで使ってるときに、黒カビが発生しておきる症状と似てるよ。なんで観光客には同じ症状は全くでてないんだ? トランプはキューバが嫌いだからな。
というわけで、とても面白かった。

元の記事自体は日本でもよくあるような政府見解の紹介記事なんだけど、コメント欄でこれだけ多彩な意見がでてくるというのは米国ならではだなと思う。こういう点に関しては米国がとてもうらやましいね。

僕も正直このコメント欄を読むまでは、「攻撃って一体誰が何のためにやってるの? 意味分からないよ」程度の意見だったけど、これを読んで、あー、そもそも攻撃自体がガセだったんだなと納得。

とくにFBI捜査員じゃなくて疫学者を連れて行けという発言には本当に感心かつ納得した。

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